小京都飛騨高山と春爛漫の信州を巡る旅①

スタート
名古屋駅を定刻に出発したバスは、東海北陸道を快適に飛騨高山を目指す。
山あいの交通不便な盆地に独特な文化が生まれ育った高山。東海北陸道の開通で観光客には飛躍的にアクセスが向上した。
2泊3日の旅は予報によると14年ぶりの寒気とか。途中トイレ休憩した、ひるが野サービスエリアでは小雪が舞うほど。前日は高山では雪が積もったらしい。

萬代角店
天候は不順なれども、道路は順調。懸念された高山祭の渋滞もなく、12時前には高山市街に到着。
萬代角店での昼食となりました。お店で落ち合った旧知の向井さんからは清酒、濁り酒、梅酒の差し入れがあり、飛騨牛の朴葉味噌焼きを肴に大宴会。

早くも一行は和気藹々の雰囲気となりました。
実はメニューの朴葉味噌定食よりも3割ほど飛騨牛を増量していただいた特注品。戸
外での屋台見物に備え、お酒とお肉で身体を心から温める効用は充分でした。
萬代角店

からくり奉納
お店から10分ほど歩いた陣屋前で、屋台のからくり奉納が始まります。よい場所を確保するために20分ほど前に到着、奉納の始まりを待ちます。
運良く雪もなく、見物に良い場所を確保。
定刻の2時前にはからくりの実演が始まりました。

まず左端の三番叟(さんばそう)屋台から。
謡いと屋台上の子供の太鼓、鼓にあわせ可愛い童人形が樋を進み、先端の箱に顔を近づけると一瞬にして顔が翁に変身。
からくり三番叟からくり三番叟

次は真ん中の石橋台(しゃっきょうだい)屋台。
長唄にあわせ美女が踊るうちに打ちかけがめくれて獅子頭に変身。激しく舞い踊るというもの。あまりの妖艶さに一時は、からくり実演を控えていたとの説明もありました。
からくり石橋台からくり石橋台

最後は右端の龍神台(りゅうじんだい)。
童子が曲に合わせて壺に近づいたところで、さて先が続かない。
屋台の中から黒子のおじさんが出てきて長い棹で引っかかった紐をほどく。それでもうまく動かない。おじさんが二人に増えてあちらこちら直すも進まない。
観客からは「どうした」「寒いよ」と帰る人もチラホラ。しかし観客の集中力が途切れた頃、いきなり壺が割れて紙吹雪から龍神が出現、腕も頭も千切れるほどの勢いで乱舞しました。
からくり龍神台からくり龍神台

これらのからくりは屋台の中に隠れた技術者が、何十本もの紐を操って人形の繊細な動きを表現するもの。
寒い中、我慢して見るだけの価値がある、まさに高山の伝統美でした。

三町
からくり奉納のあとは赤い欄干でおなじみの中橋を渡り三町へ。
三町のひとつ一之町通りには8台もの屋台が曳き揃え、威容を誇っています。
普段は屋台蔵に格納され、一部は順番に屋台会館で見ることが出来るが、高山祭の期間はすべてが間近で見られます。
精巧な彫り物、きらびやかな装飾。
この地で育った重要有形民族文化財、伝統文化の真髄を堪能することが出来ました。
一行は三之町通りのお店を冷やかしたり、お目当ての土産品をゲットして自由時間をゆっくり楽しみました。
屋台
屋台

ホテルアソシア高山リゾート
今日の泊りは市街から少し離れたホテルアソシア高山リゾート。
高山市内には温泉がなかったものが、このホテルが掘りあて、人気の宿泊施設になっています。
高台に建てられたホテルの全室から北アルプスが眺められるのですが、生憎の曇り空、景色より温泉と料理を楽しむことにしました。
部屋も花柄のベッドカバーが印象的な、可愛らしく清潔なしつらえ。
展望大浴場で冷えた身体を温めて、フランス料理のコースに舌鼓を打ちました。展望大浴場でもロビーでも外国人客が目立つ立派なホテルでした。

朝起きると、窓の外になんと雪が舞っているではないですか。でもせっかくの高山、朝食を済ませて朝市に行くことにしました。
ホテルのシャトルバスで高山駅まで、そこから15分ほど歩くと、陣屋前の朝市会場に着くことができます。白いテントを4列に張り30軒ほどの簡易店舗が並んでいます。
高原野菜、味噌、漬物、それにサルボボや一刀彫の民芸品。どれも郷土の香り高い品物ぞろいでした。宮川沿いにも朝市が開かれ、こちらは寒さのせいか、店舗がまばらでした。

飛騨高山美術館
一行は本日午前中の見学場所、飛騨高山美術館に向かいます。と言ってもバスに乗ったら約5分で到着。美術館前には黒スーツの颯爽とした学芸員お二人と、向井専務さんがお出迎え。
飛騨高山美術館は、高山・下呂で手広く事業を営んでいる向井兄弟が、利益を社会に還元する目的で14年前に開館したもの。アールヌーヴォー様式のガラス工芸を中心にコレクション。
1000点もの逸品が納められ、年3回展示替えをするとのこと。すっきりとした外観が美しい建物とともに、ミシュランの三ッ星を連続して獲得している、世界に誇る美術館です。

まずは学芸員の案内で噴水ホールへ。
パリのシャンゼリゼに作った、高さ3メートルのガラスの噴水を囲んで美術館の説明を受けました。
噴水はルネ・ラリックの作品、他にもエミール・ガレや藤田喬平などの香水瓶、花瓶、レリーフ、照明スタンドなど見事な作品を学芸員の詳しい説明で鑑賞しました。

別棟の展示室には、ガレの部屋、マッキントッシュの部屋など、アールヌーヴォーの家具を陳列した部屋を再現。一同はため息混じりに食い入るように眺めました。

暖かい日ならば庭に出て、北アルプスの景観を望みながら昼食の予定でしたが、あいにくの寒空で、レストランで飛騨牛のビーフカレーをいただきました。そこに向井館長が登場、遠路はるばる訪れた一行をやさしく歓待していただきました。
食事が終りミュージアムショップでの買い物も過ぎたころ、雲が晴れて北アルプスが見えてきました。
そこで庭に出て集合写真。よい記念になります。
美術館
美術館美術館


向井館長さん、お忙しいところお顔を出していただきましてありがとうございました。向井専務さん、2日間にわたり、親身になってご案内いただきましてありがとうございました。

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