箱根熱海、美の真髄を探る旅①

富士箱根伊豆国立公園、おへそにあたる箱根と熱海は観光地の定番として何度も訪れた方が多いに違いない。今回はありふれた観光地でありながら、懐の深さを探訪するスペシャルプランを設定しました。

 初日、小田原駅に集合した方々は中途半端な時刻ということもあって皆さん早めのご到着。
中には小田原城まで足を延ばして散策されたご夫妻もおられました。

 三日間晴れの天気予報を信じて箱根登山鉄道の大型バスに乗り込みました。

まずは景色抜群のターンパイクを経由して大観山へ。途中きらめく相模湾を眺めながら芦ノ湖絶景ポイントに着きました。富士山は薄ぼんやりと見えただけでしたが、芦ノ湖は一行を歓待するように穏やかな湖面を見せていました。

山のホテル
山のホテル
 ドライバーの樋口さんは山のホテルまでの道を遠回り、芦ノ湖越しにホテルを一望できる展望台に案内してくれました。駒ケ岳のふもと、芦ノ湖の対岸には赤い屋根、白い壁の山のホテルがはっきりと見え、驚いたのは対岸のこちらでも庭園の真っ赤なつつじが周囲の緑に浮かんでくっきり見えたことでした。これから訪れる庭園の散策に胸が躍ります。 

これは三菱の岩崎小弥太男爵の別荘であったものを、時代の変遷を経てホテルになり誰でもが利用できるようになったものです。
 
 3時過ぎ、ホテルの部屋で旅装を解いた一行は、むせ返るような満開のつつじ園で記念撮影。赤、白、ピンクのつつじが今を盛りと咲き誇り、体中がつつじ色に染まりそう。更に石楠花園も満開の迫力。この時期、行列ができるほど人気スポットの真っ只中に浸る幸せに身をゆだねました。

 夕食までのたっぷりした時間をそれぞれが箱根神社参拝や、3年前にできた温泉大浴場で有効に使いました。ホテル自慢の洋食とワインの懇親会を終えて、ライトアップした庭園を一回りした後、明日の晴天を祈り早めに眠りにつきました。
 
明けて2日目、カーテン越しの光が早く早くと急かします。つられてカーテンを明け富士山方向を見ると、明け方の空に富士がくっきり。朝日がまだ当たっていないので灰色の空に薄青色の山型が確認できます。
どうか午前中雲が出ませんように。
早起きの宿泊客が三々五々庭園散策をはじめています。私たちはまず朝の温泉に浸かり、最上階の展望台で湖、外輪山の全景を愛でた後、庭に出て思う存分つつじ越しの富士山を楽しみました。このころには霊峰も真っ白く輝き、つつじとのコントラストは息をのむほどの美しさでした。

 和食、洋食お好みで選べる朝食も、私たちは躊躇なくテラス席の洋食をチョイス。高原の朝の空気は少し冷たかったものの、芦ノ湖とつつじを眺めながら温かい料理を楽しみました。かたわらには雀もやってきて、パンくずをついばむ平和なひとときでした。
富士山

湿生花園
湿生花園
 昨日のドライバーさん、ガイドさんに迎えられ一行は仙石原の湿生花園へ。ベテランガイド堀井さんも驚くほどの好天気。数々の山野草の間を散策し、高原の空気を思いっきり吸いこみました。

 予定ではこのあと昼食場所のある強羅の花壇へ。ところがドライバーさんの思いつきで大涌谷を回る事にしました。
大涌谷といえば黒卵、ひとつ食べれば7年寿命が延びる。下車して硫黄泉で卵を温めているところまで往復する時間はないのに、何故遠回りを。この疑問はやがて解けることになりました。
大涌谷の駐車場を1周すると目の前に富士の雄姿が。山のホテルで見たてっぺんだけではなく、裾までくっきりの富士山にバス内は感嘆の声。
さすが箱根登山鉄道の運転手さん。絶景ポイントはしっかり把握しておられるのでした。

花壇・寄木会館
 定刻にバスは花壇に到着、ハーフチェンバーの由緒ある建物に胸躍らせながら入りました。
この建物は旧閑院の宮別邸、今では会席料理を楽しむことができます。伝統ある洋室で窓越しの若葉を楽しみながら会席弁当をいただきました。
廊下続きには高級旅館「強羅花壇」が連なり、次の機会には是非宿泊をと願った会員も多かったことでしょう。

 ここ強羅は古くから別荘地として開けたところ、個人や会社の別荘の他に箱根美術館や強羅公園など見どころも多い。
本日は昼食後の腹ごなしも兼ねて彫刻の森美術館へ。

広大な敷地内に点在する数々の彫刻、ピカソ館の美術品、足湯などそれぞれ楽しんだあと、バスは畑宿の寄木会館へ。

急なカーブをいくつも下って、ここ畑宿は箱根名物、寄木細工の工房が集まっている。
今日は簡単な寄木細工の手づくり体験。同じ材料ながら出来上がったコースターは千差万別。作り手の隠れた個性を垣間見ることになりました。
皆さん案外熱心に制作され、さすが集中力は抜群。コースターひとつだけでは使いにくいので、お土産にもうひとつキットをお持ち帰りいただきました。
寄木会館

 バスは箱根新道を下り、ユニット1でお帰りになる方々を小田原駅までお送り。駅前でお別れのご挨拶をしているところへヒョッコリ太田さんが出現。太田さんは今朝早く山のホテルを出立、東京での会議をこなしてとんぼ返りで戻ってこられたところに偶然の遭遇。これを奇跡と評する方もおられました。

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